筋トレは水分補給がカギを握る?

1.なぜ筋トレに水分補給は必要なのか?

はじめに、筋トレにおいて適切な水分補給は非常に重要です。筋トレ中には大量の汗をかき、体内の水分量が減少します。水分補給を怠ると、筋肉の成長が妨げられたり、筋トレ中に体調を崩すリスクが高まったりすることがあります。そこで、本記事では筋トレにおける水の役割や重要性、水分補給の方法や注意点について解説します。筋トレをする方はぜひ参考にしてください。



1.1.そもそも筋肉の大半は水分からできている

人間の体を構成する組織や器官の中で、最も大量の水分を蓄えているのは筋肉です。実に筋重量の72パーセント程度が水分で構成されていると言われています。

引用元:筋肉と水分の関係(市報のだ7月15日号掲載)|野田市役所 

1.2.汗をかいて水分不足になる

筋トレ中は汗をかいて大量の水分が失われます。この水分不足が続くと、筋肉が疲労しやすくなり、パフォーマンスが低下する可能性があります。

2.水分補給が筋トレに与える効果

筋肉の大半が水分で出来ており、その水分が筋トレによって失われてしまうので水分を飲もうということなのです。具体的に筋トレの際に水分補給をすることで以下のような効果が期待できます。

2.1.筋肉の成長に必要な栄養素を運搬する

水分は、筋肉の成長に欠かせない栄養素を体内で循環させるために必要です。筋トレ後の筋肉の修復や成長には、タンパク質や糖質などの栄養素が必要ですが、これらの栄養素は水分と一緒に血液中を循環することで、筋肉に届けられます。

2.2.筋トレ中の疲労回復にも役立つ

筋トレによって筋肉がダメージを受けると、筋肉内のタンパク質が分解され、新しいタンパク質が合成されることで筋肉が修復されます。筋トレ中に水分補給をすることによってこの疲労回復・修復を促進することができます。


2.3.筋肉が収縮しやすくなる(満遍なく鍛えられる)

鍛えたい筋肉を全体的に刺激することで、効率よく行うことができます。そこで重要なのが「筋肉の収縮」です。例えばベンチプレス。テキトーに上下するのではなく、胸スレスレから、腕を伸ばし切るまで行うことで胸の筋肉が満遍なく「収縮」します。この収縮には水分補給が重要な役割を果たしています。先ほども書いたように筋肉は水分を含んでいます。そのため筋肉内の水分量が減少すると、筋肉が収縮する力が弱まります。つまり筋肉の収縮力を高めるためにも、水分補給が必要なのです。


2.4.ポテンシャルを最大まで引き出せる

水分補給によって、血液中の酸素や栄養素の運搬もスムーズになります。血液中の水分量が不足すると、血液の粘度が上昇し、心臓が血液を効率的に送り出せなくなります。そのため、血液の循環が悪くなり、筋肉への酸素や栄養素の供給が不十分になります。水分補給によって、血液中の水分量を維持することができれば血液の循環がスムーズになります。すると酸素、栄養素がきちんと筋肉に供給されるのでしっかりと限界のパワーを出力することができるので筋肥大が期待できます。(筋肉はこれ以上持ち上げられないと感じて初めて筋肥大するため。)

3.筋トレにおすすめのドリンクの種類

水だけでなく水分には様々な種類があります。またそのドリンクの特徴や体に与える影響によって飲むタイミングも異なります。今回はタイミングの時系列に沿って飲み物のおすすめを書いていきます。

3.1.筋トレ前

筋トレ前のドリンクとして重要なポイントとしてあらかじめ必要な水分を補給することはもちろん、運動効率を上げることをが挙げられます。

3.1.1.カフェイン

コーヒーに含まれるカフェインは、トレーニング前に摂取すると、疲労を軽減し、集中力を高め、筋力を最大限に引き出す効果があることが知られています。また、脂肪燃焼を促進する働きもあるとされています。さらに、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、脂肪の蓄積を抑えたり、糖の吸収を防いだりする効果があります。トレーニングを始める前の1時間前に、コーヒーを飲むことで、シェイプアップの効果をより高めることができます。ですが、同時に利尿作用もあるため飲み過ぎてトイレが近くなるなんてことがないように摂取量には気をつけてください。糖分が多く含まれる商品もあるので商品の選択も重要なポイントです。

3.1.2.プロテイン

トレーニング後にタンパク質を摂取することがベストとされてきましたが、最近の研究によれば、トレーニング前にもタンパク質を摂取することで効果が得られることが分かってきました。トレーニング前のタンパク質摂取は、筋肉タンパク質合成を促進するために重要と考えられます。トレーニング中に発生する筋肉タンパク質合成に向けて、トレーニング前にタンパク質を摂取することで、血中アミノ酸値が上昇し、筋肉タンパク質合成がトレーニング中の3時間後まで持続します。また、トレーニング前に炭水化物を摂取することで、体に必要なエネルギーを補充し、トレーニング中にも早くエネルギーを使い切らないようにすることが大切です。

3.1.3.緑茶

緑茶に含まれるカテキン・ポリフェノールは、トレーニング前に摂取すると脂肪燃焼を促進する効果があることが研究からわかっています。さらに、継続的に摂取することで、脂肪の消費を高める効果も報告されているため、日常生活やトレーニング前に積極的に取り入れたい成分の1つです。カフェインに比べて含有量が少ないため、トレーニング前に飲む場合は、十分な量を摂取することが大切です。ただ緑茶にも利尿作用があるため、飲みすぎないように調整することが必要です。

3.1.4.BCAA

ブランチチェーンアミノ酸(BCAA)は、身体活動前の細胞エネルギーレベルを維持し、筋肉タンパク質合成を促進することによってトレーニングや回復をサポートします。水にBCAAパウダーを加えて簡単に使用できます。この製品には、筋力、持久力、パワーの向上をもたらすカフェインも含まれています。

3.2.筋トレ中

筋トレ中は汗をかくため水分が大量に失われるためそれを補給することが第一優先になります。また自身の運動負荷によっても取るべきドリンクは変わるため、自身の状況を照らし合わせることも忘れないでください。

3.2.1.水

水は喉の渇きを満たし、運動中に失われた体液を補充するために最適な飲み物です。運動を始める前にも水を飲んでください。水には多くの利点があります。天然で、無料で手軽に手に入り、カロリーがなく、フッ素を含むため歯に良いです。

3.2.2.スポーツドリンクについて

一部のアスリートは、電解質や炭水化物を含むスポーツドリンクを使用しており、これらには体を回復させるための十分な濃度を含んでいます。運動強度が60分以上の中程度から激しいものであれば、スポーツドリンクは有用とされています。ただしスポーツドリンクは糖分が多いため、必要な場合にのみ摂取とし、とり過ぎには注意してください。

3.3.筋トレ後

筋トレの後は疲れた筋肉を十分に回復させるためにタンパク質を取ることを第一に考えましょう。また、同時に水分補給をしっかりと行うことで筋肉の回復も早まります。

3.3.1プロテイン

トレーニングの後の筋肉は傷ついた状態です。そしてその筋肉を構成しているのがタンパク質、英語でプロテインです。運動の直後だと消化が追いつかずに気持ち悪くなってしまうこともあります。おおよそ目安としてトレーニングから30分〜45分立ってからプロテインは摂取するようにしましょう。

 

4.筋トレの水分補給、どれだけ飲めば良い?

筋トレ中に推奨されている水分補給量はどれほどなのか?栄養科学の博士であるRob Wildmon博士がYouTubeの中でこう語っていました。

Law 9: Hydrate | 10 Laws Of Muscle-Building


Rob Wildmon博士は筋肉トレーニングには水分補給が重要であり、加えてこう説明しています。


そもそも運動前に適切な水分補給が必要であり、40%の人が部分的に脱水状態で運動していると語っています。脱水状態で運動すると、パフォーマンスが低下し、トレーニングの質や結果に影響する。一般的には1日あたり2〜3リットルの水分補給が推奨されているが、食品中に含まれる水分も考慮する必要がある。特に朝に250〜350m Lの水を飲むことを勧めています激しく汗をかく人は、トレーニング中やその後に水分を補給する必要がある。また体重の変化を測定することで、自分がどのくらい汗をかいているかを知ることができますつまり筋トレによって失われた水分をどれくらいの量の水で補給できるか、という問題の前に筋トレ前に約40%の人が脱水状態になっているため普段からの水分補給をまずは意識しましょうということです。


順序としては以下のようになります。

  1. 毎朝コップ一杯(200mL程度)以上の水分を補給する。

  2. 日常生活の中でもこまめに水を補給する。

  3. 筋トレの前はパフォーマンスが下がらないようにまずは水を補給する。

  4. トレーニング中も水分が失われるので水分補給する。
    (具体的な数値は体格、運動量にもよって変わってくるので運動前、運動後に体重を測定しておくと目安の水分補給量が把握できます。)

※170cm/50kgの私が40分ほどのトレーニングでだいたい500m L消費します。

5.筋トレ中の水分補給の方法と注意点

5.1.水分補給の方法

こまめに少量ずつ摂ることがポイントです。筋トレ中は汗をかきやすく、一度に大量の水分を摂取すると胃腸に負担がかかるため、こまめに少量ずつ水分を摂るようにしましょう。特に長時間の筋トレを行う場合は、定期的に水分補給をすることが重要です。

5.2.水分補給の注意点

5.2.1.過剰な水分補給は避ける

(※2リットルと決めているから喉が渇いてもいないのに全部飲み切る!というような異常な行動をいない限り大丈夫です。喉の渇きを潤すために飲みましょう。) 過剰な水分補給は、体内のナトリウム濃度が薄まる「低ナトリウム血症」を引き起こす可能性があるため、水だけを大量に摂取することは避けるようにしましょう。こまめに少量ずつ、かつ必要に応じて栄養素を補給することが大切です。(低Na血症のガイドライン|JSEPTIC

※これは「自発的脱水」や「水中毒」のような言葉でも表現されることがあります。

5.2.3.飲み物の温度に注意する

筋トレ中に摂取する水の温度は、体温よりも低い方が好ましいです。(常温より、少し冷たいと感じるくらいの温度がおすすめ)水の温度が低いと、体温を下げることができ、筋肉の疲れを軽減することができます。一方、温度が高い水を飲むと、体温が上がり、体力を消耗することになります。また、冷たい水を飲み過ぎると、消化器官に負担がかかることがあります。

6.普段からこまめに水を飲みましょう

筋トレのパフォーマンスや休息のためだけでなく、そもそも体の健康のために水は大切です。特に

  1. 朝起きた時

  2. スポーツの前後、スポーツ中

  3. 入浴後

  4. 就寝前

は水を多く消費するので、意識して飲むことをおすすめします。喉が渇いた時にはすでに脱水状態とも言われています。まずは普段の生活から意識してみましょう!


健康のため水を飲もう講座|厚生労働省(PDF)


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